2004年11月19日

SL-C3000とつなぐ(2)

 以前、SL-C3000とつなぐでは、サン電子のi-CARD TYPE F1「CS64CF」を使って、SL-C3000と京ぽんを接続してみました。
 当然といえば当然ですが、ちゃんと京ぽんでダイヤルアップ接続ができました。

 ところが、なんとSL-C3000に付いたUSBポートにケーブルだけで京ぽんを接続し、これでちゃんとダイヤルアップ接続ができちゃうんですね。
 必要なのは、moroさんが作成・配布されているAH-K3001V SL-C3000 2.4.20 自己責任利用モジュールと、京ぽんとSL-C3000を接続するためのUSBホストケーブルです。
 このUSBホストケーブルには、ポケットシステムズ PocketGamesPocket USBホストケーブルがありますが、もう1本、アールエスコンポーネンツのRSオンラインで購入できる「437-0117」という型番のケーブルでもだいじょうぶでした(※ちょっと動作が不安定です)。

 でも、ちょっと設定は面倒です。moroさんのモジュールは「自己責任利用」ですので、たとえSL-C3000の動作がおかしくなってしまうようなことがあっても、moroさんにもここにも文句は言わないでくださいね。

 moroさんのダウンロードファイルから、「AH-K3001V SL-C3000 2.4.20 自己責任利用モジュール acm-AH-K3001V-2.4.20.tar.gz」をダウンロードします。ダウンロードしたら、ファイルを解凍。解凍すると、いっぱいサブフォルダの階層を下がって、はじめてacm-AH-K3001V.oファイルに行き着きますが、これがSL-C3000のなかのファイルの場所にもなってるんですよ。

 ま、とりあえずファイルを解凍すると、/lib/modules/2.4.20/kernel/drivers/usb/acm-AH-K3001V.o という階層にファイルが出現しますから、これをSL-C3000の同じ場所、つまり /lib/modules/2.4.20/kernel/drivers/usb/ のなかにコピーしちゃいます。コピーするときは、root権限でするか、あとでファイルの所有者をrootに変更しておくといいでしょう。

 ところで、京ぽんをUSBホストケーブルなどを使ってSL-C3000に接続し、設定画面の「システム情報」を起動して「デバイス」タブ画面で「USB」を見ると、次のようになっています。
click! そのままで、とりあえず京ぽんが認識されています。ただし、ドライバがないので、「Driver」欄は「(none)」となっています。

 ファイルをコピーしたところで、京ぽんを接続する前にターミナルを起動し、suでrootになって、次のおまじないを指定します。

 bash-2.05$ su
 # depmod -a
 # modprobe acm-AH-K3001V

 エラーが出なければ、これでOKです。エラーが出るようなら、たぶんコピーしたファイルの所有者がrootじゃないためですから、Tree!ExplorerQTなどを使って所有者を変更して、もう一度やってみるといいでしょう。

 エラーが出なければ、そのまま次のコマンドを入力します。

 # lsmod

click! これでusbcore欄に「acm-AH-K3001V」と表示されていれば成功です。京ぽん用モジュールがロードされました。
 次にデバイスを作成します。

 # mknod /dev/ttyACM0 c 166 0

 やはりエラーが出なければOKです。これでターミナルは終了してかまいません。

 今度は、ダイヤルアップの設定です。これは設定画面の「ネットワーク設定」を起動します。ネットワーク設定を起動したら、「ダイヤルアップ接続」を指定し、「追加」ボタンをタッチ。ダイヤルアップ接続の種類の選択画面に変わりますから、「PPPダイヤルアップ接続[赤外線]」を指定し、[選択]ボタンを押します。
click! 続けて、接続先やネットワーク、モデムといった設定を行なっていきます。これは通常の設定と同じですね。京ぽんの場合、モデムの初期化コマンドは「ATZ」だけでいいようです。ダイヤル方式は「トーン」を選択。

 これで京ぽん用のダイヤルアップ接続の設定が作成できました。作成すると、タスクバーに地球アイコンが出現します。

 このダイヤルアップ接続は、赤外線として設定しましたが、これを先に作成したデバイスに変更します。
 ZEditor(ルート権限で実行するに設定しておくこと)を起動し、次のファイルを開きます。

 /etc/ppp/peers/IRDAxxxxxxx

 ファイル名は、「IRDA」に続けて数字が入っています。このファイルを開き、2行目にデバイス名を追加します。

 (元)115200
 (後)/dev/ttyACM0 115200

 書き換えたら、ファイルを保存して終了。これでSL-C3000にUSBホストケーブルで接続した京ぽんで、ダイヤルアップ接続ができるはずです。
 京ぽんを接続し、タスクバーの地球アイコンをタッチ。「接続」をタッチすると、ダイヤルアップが開始されます。

 ちなみに、ここまでの設定がちゃんとできていると、「システム情報」の「デバイス」タブ画面のUSBでは、ちゃんと「Modem driver for Kyocera PS」と表示されています。
click! 実は昨日、シャープの方とお会いしてきました。SL-C3000のUSBは、当然ながら2.0を搭載する予定で開発していたのですが、どうしても間に合わなかったのだそうです。次の機種では、必ずや2.0が搭載されることでしょう。
 USBホスト機能についても、面白い話がいくつも出てきたのですが、ちょっと公表はできないな。でも、ユーザーの状況や要望を取り入れながら、いろいろと進化しているようです。
posted by K_T at 14:39| 東京 ☔| Comment(19) | TrackBack(7) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
USB2.0が将来導入されるだろうというのは、歓迎なのですが、clientとしてですか、それともhostとしてでしょうか。たぶん、clientで、パソコンに接続する場合になるんでしょう。その時、host機能は是非とも残していただきたいと思います。一番よいのは、client/hostともにUSB2.0で額面480Mbpsということですが。
Posted by at 2004年11月21日 12:30
コメントありがとうございます。
USB2.0ですが、クライアント、ホストともども2.0ならベストですね。USBホストについては、非公式ながらハードディスク内にいくつかのモジュールが見られますから、当然ながら開発でもそれなりのものを作ろうとしているのは想像できます。
ただ、やはりメーカーですから、対応するUSB機器をそれなりに揃えたり、あるいはサポートしなくちゃならないでしょう。これがたぶんネックになってると思います。

いっそのこと、これとこれは正式対応、なんて感じで製品を指定してくれたり、モジュールを出してくれると、ユーザーとしてももっと利用できるんですが、それも難しいのかな。
Posted by K_T at 2004年11月22日 02:10
こちらのページは京ぽん+C3000の時に参考させていただき非常に助かりました。ありがとうございました。

つい最近、4xサービスに対応したと言うことで、京ぽんからJ3003Sへ乗り換えました。
(C3000でブラウジングは事足りるので電話側でのフルブラウザよりもモデム速度優先ってことで(^_^;)
J3003Sは標準のacmドライバで問題ありませんでしたその他の手順はまたこちらのページを参考させていただきました。重ねて、ありがとうございましたm(_ _)m
Posted by shin1 at 2005年03月24日 13:30
今更かもしれませんが、こちらの記事を参考にさせていただいたおかげで無事SL-C3000(ROMバージョンアップ済み)と京ぽんを接続することができました。

いままでP-inを使っていたのでいつでも解約できるようになりました。

大変ありがとうございました。
Posted by hoto at 2005年04月06日 01:36
このたび、遅まきながら
C3000持ちになりまして。
hotoさんとこのシンボリックリンクとともに
参考にさせていただきました。
ありがとうございます。
Posted by shipin at 2005年04月13日 12:45
CL-C3000ではないのですが、こちらを参考にCL-C1000とJ3002VでのUSB接続を試みたところ無事に繋がりましたのでコメントさせていただきます。

ドライバは特に追加の必要もなく認識しますので、それ以外の作業はこちらを参考に設定をおこなえば問題ないようです。

USBホストケーブルはすぐに手に入らない状況でしたので手持ちのケーブルを改造して(といってもミニBの4ピンと5ピンをショートさせただけなのですが)製作したものを使用しています。

どうもありがとうございました。
Posted by iku at 2005年05月08日 13:45
修正です。
ミニBでなくてミニAでした。
Posted by iku at 2005年05月08日 17:36
AH-K3001Vとケーブルで直につなげられるということで、かなり期待してSL-C3000を購入し、上記の方法で設定してみたのですが、どうも接続できたりできなかったり(できないことの方がほとんど)動作が不安定で、接続できない時は「初期化中」の表示が出たまま全く接続できません。
AH-K3001Vを接続した際には「データ通信OK」の表示が出るので、USB機器として認識はされているようですが、通信を開始しようとした時にはAH-K3001Vには何の反応もないので、モデム初期化コマンドすら送られているかどうか怪しい状況です。
このような状況に陥った方、いらっしゃいませんでしょうか?
何とか安定して接続できるようにしたいので、どなたか疑うべきポイント、確認すべきポイント等がわかる方、教えて頂けないでしょうか?

ちなみに使用ケーブルはシグマリオン用ホストケーブル+SL-C3000に付属のUSBケーブルで、シグマリオン側をSL-C3000に接続しています。AH-K3001V、SL-C3000付属のUSBケーブルはいずれも別のものと交換してみたのですが、症状は同じです。

よろしくお願いいたします。
Posted by Amadeus at 2005年05月22日 07:20
SL-C3000本体のROMのバージョンはどうなってますか? 現在「1.11JP」ですが、ROMをアップデートする以前は、けっこうネットワーク関係がボロボロでした。760や860でまったく問題なかった無線LANでさえ、SL-C3000ではつながったりつながらなかったり。まずROMのアップデートを行なってみてください。
Posted by K_T at 2005年05月22日 08:06
あっ、ちなみに「http://support.ezaurus.com/sl-c3000/update/c3000update/c3000update.asp」で3000のアップデートファイルが落とせます。
Posted by K_T at 2005年05月22日 08:09
K_Tさん、速攻で教えていただき、ありがとうございます。
早速ROMをバージョンアップしてみたところ、事態は改善したようで、今、直ったSL-C3000でこのコメントを書いています。
とても快適でスッキリです!
こんなに早く解決できてとても助かりました。
本当にどうもありがとうございました。
Posted by Amadeus at 2005年05月22日 21:28
↑ブラウザにエラーが起き、同じものを何度も送信してしまいました。
このページを管理されている方、申し訳ありません、このコメントと一緒に余計な書き込みを消去お願いいたします。どうもスイマセン。
Posted by Amadeus at 2005年05月22日 21:47
Amadeusさん

通信できるようになって、何よりです。

(重複コメントは削除しておきました)
Posted by K_T at 2005年05月23日 01:40
Amadeusです。
K_Tさんがこのページの管理をされているのですね。
どうもありがとうございました。

お礼ついでに今後同様の試みをされる方に情報二つ。
1.シグマリオン用ホストケーブルの代わりにGreen HouseのGH-USBK5コネクタ+SL-C3000付属ケーブルの組み合わせではコネクタの形は合いますが、接続はできませんでした。「ホストケーブル」とは結線が違うのでしょうかね?
2.SL-C3000の電源を入れたままAH-K3001Vを接続すると設定が壊れてしまうようです。接続の際は必ずSL-C3000の電源を切りましょう(万一設定を壊してもこのページに書かれている設定作業をやり直せば復活しますが・・・)。
Posted by Amadeus at 2005年05月28日 08:29
こんにちは。こちらのページを参考にC3000とK3001Vで通信を試みているのですが,うまくつながらず,お手数ですが教えてもらえますか。
C3000+USBケーブル(自作)+K3001Vで,K3001V用自己責任モジュールを使って,とりあえずネットにはつながるのですが,32Kパケットで通信が異様に遅い(Webページ読み込み途中で止まる感じ)という状態に悩まされてます。いろいろ試したところ,PIAFS64K/32Kではきちんと速度が出るのですが,パケットにすると上記の読み込みが途中で止まったりします。また最初のユーザー認証も少し長いようです(パケットで30秒,PIAFSなら6秒くらい)。IRDAXXXXのファイルをいじり,MTU/MRU値を1500にしたりすると少しは状態改善されるのですが,依然重いページでは読み込みが止まってしまうような状況です。このままではパケ放題サービスが利用できないので困ったなと思ってるのですが,このような現象は出てませんでしょうか。何か原因がわかるようでしたら教えてもらえませんか。
Posted by hawk at 2005年06月25日 12:46
初めまして。
こちらのHPを参考に接続設定をさせていただいています。
設定自体はエラーもなく終わりましたが、
通信が出来ないというか、システム情報の所で、
USB OHCI Root Hub と言う項目が出ずに
もちろん # Modem driver for Kyocera PS
の項目も出ません。
色々調べてみたのですが、全く解りませんでした。

PC〜SL-C3000 のデータのやり取りや、
京ぽん〜SL-C3000 のデータのやり取りは出来ます。

なぜ、USBの所が何も表示されないのでしょうか?
(USBとだけは表示されてて、左側は+も−も表示されません)
詳しい方教えていただけますでしょうか?

場違いなら申し訳ありません。

宜しくお願いします。
Posted by 抜作 at 2005年09月27日 13:30
SL−C1000とJ3003SをUSBでつなぎ、通信しようとしてます。コメントの中に標準のacmでつながった方がおられますが、その際の手順をもう少し詳しくおしえていただけないでしょうか?
ダイヤルアップ設定の中のプロキシーの設定と初期化の設定はどのようにされましたでしょうか?
それ以外の作業はなにをする必要がありますでしょうか?
システムについてはまったくの素人でして、なにをどうすればよいのかさっぱりわかりません。
よろしくお願いいたします。
Posted by takai Ken at 2006年01月12日 22:34
SL−C1000とJ3003SをUSB接続で通信しようとしてます。ここに書かれているネットワーク接続の設定の中でプロキシの設定をどうするかがわかりません。それから、それ以外にエディタでファイルを操作することが、私、全くの素人でできないでいます。すみませんが、どなたかご教授いただければ幸いです。
Posted by Takai Ken at 2006年01月12日 22:51
(申し訳ありませんがコメントSPAMが激しいため、当分のあいだコメント禁止に設定します)
Posted by K_T at 2006年04月14日 13:24

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